実践志向

気付きから実践が始まる詩的な日常、あるいはその生き様

一期一会

終点の停車駅。

到着を知らず、眠り続ける女子学生が目の前にひとり。

周囲の人間は見てみぬふりをしている。私もその中のひとりだった。

「到着したよ」と声をかけてあげるべきなのか。それとも、そのまま見てみぬふりを続けて、周囲の空気とやらに流されてしまうことに価値があるのか。目の前にいる彼女の運命が自分の近くにやってきているような、そんな感覚があった。

しばらく心の中で葛藤は続いた。

彼女にとって最良の運命が訪れることを願っていた。

そう願った矢先に、車内アナウンスの音声が流れた。音声に気付いた彼女は、停車駅への到着を知り、少しだけ焦りの表情を浮かべながら、席を立っていったのだった。

よかった。

一期一会という言葉がある。いまこの瞬間、電車に乗り合わせた人との出会いは、まさしく一期一会である。

一期一会の精神で日々を過ごすこと。

かけがえのない気付きをもたらしてくれた彼女に感謝しようと思った。

Train station