実践志向

言葉の感覚を大切に。「気付き」から「実践」が始まる詩的な日常。

なつやすみ七日目~アリガトウ~

バスの停留所。

直射日光が照りつける中、般若寺行きのバスを待つ私。外国人観光客の夫婦が、私に声をかけてきた。

ここのバス停は、私が持ってるガイドマップだと、どの辺なのかしら。
奈良駅方面に向かいたいんだけど、1番線のバスで合ってるかしら。

相手の求めていることは、すべて理解できた。相手が求めていることに応えられる自信があった。

それが日本語を介した空間だったなら。

彼らは終始、英語で問いかけてきた。それでも、相手の知りたいことはよく理解できた。

それなのに言葉が出ない。
紡ぎ出せない。
悔しさが滲み出る。

はっきりと伝えることができぬまま、般若寺行きのバスが到着してしまった。

その瞬間だった。
片言の日本語が感謝を紡ぐ。

アリガトウ。

想いと一致する行為は、感覚を通して伝わる。言葉の壁さえ越えることができるのだ。

そんな美しい瞬間だった。

ThankYou_