実践志向

日々実践する感覚を大切に

珈琲と角砂糖

どうも。fugu029です。

今回は、お題スロットなるものに初挑戦です。「いまの自分に必要なお題をください」と念じながら、スロットを回してみたところ、お題「コーヒー」が出ました。

それとなく、コーヒーについて語ってみます。


喫茶店で飲んだ一杯の珈琲に、角砂糖を一つ入れ忘れた。

信号待ちをしているときに思い出した。
雨が降っている。まだ止む気配はない。

信号が青くなった。止まっていた時間がありありと動き出す。

「角砂糖に入れ忘れた珈琲ごとき、どうってことないだろ」

と自分に言い聞かせ、横断歩道を渡る。
足取りは軽快だ。

しばらく歩いた。交差点を過ぎたあたりで、のどが渇いてきた。辺りを見回してみたが、コンビニが見当たらない。自販機も無い。

天に見放されたのかもしれない。


どれぐらい歩いただろうか。

喫茶「まどろみ」
外観は古民家風だが、どことなくオシャレな雰囲気の喫茶店があった。

天は私を見放していなかったようだ。

歩き疲れた体が、珈琲の甘ったるさを欲している。野性の本能が目覚めたかのような強制力。

見えない力に突き動かされるように、喫茶店に入った。

「いらっしゃい」

老夫婦が二人。にこやかに出迎えてくれた。

「好きなとこ座ってな」

窓側の席に向かう。早く甘ったるい珈琲が飲みたい。

「ご注文は?」
「アイスコーヒーで」
「はいはい、お待ちくださいね」

注文した珈琲を待つ時間。あの甘ったるさが脳内でこだまする。

「お待たせしました。アイスコーヒーになります」
「はい、どうも」
「ごゆっくりどうぞ」

目の前に待望の珈琲があらわれた。

そういえば、さっきは角砂糖を入れ忘れていたんだったな。今度こそ角砂糖を入れてやろう。

不敵な笑みを悟られまいと口をすぼめつつ、角砂糖を二つ手に取る。

ぽとっ
ぽとっ

角砂糖と珈琲が絡み合う至福のひととき。

これだから、珈琲に角砂糖は欠かせない。

おしまい*1

*1:小説を書いたりする人のすごさがよくわかりました。もう真似しません